静寂の中で

　暗闇の中、響き渡る　意味のないクラクション

通りの流れに　飲み込まれてゆく

　暗闇の中をヘッドライトとテールランプ…

行き交う　人たち　ヒールの音と笑いが響く

　静寂の中で　響き続ける　訳のないクラクション

あの夏の日に　汗ばむ夏の日に…

　消えてしまおうと企んでいたんだ

夢ってなんですか？　希望　愛ってなんですか？

　本当に、信じられるものって何ですか…？

静寂の中、思ったんだ　心がピンと張り詰めて…

　今にも　切れてしまいそうな

真夏の夜中に　静けさに行き交う　クルマたち　吠えるクラクション　

　心は、怯え　ベッドに滑り込む　夢も希望も愛も　何もない　悲しいくらいに　空しい日々よ…

　抱きしめることのない日々よ

せめて　笑顔だけは　偽りのない悲しみよ…

　偽りのない悲しみを　抱きしめて　生きてゆく

流れゆく日々の中で　悲しみを抱きしめる…

　暗闇の中　また　ひとつ　クラクションが泣いている